2017年05月10日

【2000ギニー】チャーチル血統解説

英2000ギニー、道中好位を進んだ1番人気のチャーチルChurchill)がインを強襲して後続を振り切り勝利。
着差こそ1馬身差と開かなかったが、今年初戦ということも加味すると、力強い競馬で勝利した。

チャーチルは昨年のデビュー戦こそ3着だったものの、そこから5連勝でナショナルS、デューハーストSと英愛の2歳GIを勝利し、カルティエ賞最優秀2歳馬に輝いている。カルティエ賞最優秀2歳馬は2010年のフランケルから偶数年で2000ギニーを勝利しており、チャーチルもこれに当てはまる形となった。

チャーチルは父がガリレオ(Galileo)、母がメノウ(Menow)、その父がストームキャット(Storm Cat)という血統だ。
また、祖母には英GIチェヴァリーパークSなど英愛の短距離重賞を3勝した快速馬エアウェーヴ(Airwave)がおり、スピード感満載の血統となっている。
ストームキャットの肌にガリレオといった血統構成も、2年前の勝ち馬グレンイーグルス(Gleneagles)と同様で、距離適正も恐らくマイル~中距離あたりになり、エプソムの舞台はやや不安が残る。
ガリレオという種牡馬は、母系の血を素直に伝えるタイプなので、産駒の性質が解りやすい反面、そこがウィークポイントとも言えるだろう。

いずれにせよ、このまま愛2000ギニーか英ダービーかで動向が注目される。個人的には愛2000ギニーだろうなと思いつつ、英ダービーの舞台で血統の殻を破って欲しい気持ちもあるが、同じガリレオ系の短距離母系を持つドーンアプローチ(Dawn Approach)が英ダービーで大敗した記憶から、”血統は嘘をつかない”という信念もあり、非常に悩ましくもある。

混沌とする今年の欧州クラシック戦線。
もしエプソムの舞台で彼が立っているのであれば、血統的観点からかなり興味深いものになるだろう。
現時点で世代最強馬チャーチル、マイルだけではないところを是非見てみたいものである。
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posted by がりお at 00:35| Comment(0) | 海外競馬 | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

【Warring States】日本産馬の未来は

久々の投稿。【重賞勝ち馬血統覗き見】というコーナーはなんと一週間しか持たず・・・
自らの継続性を改めて疑ったところで、本題に。

先日、日本産馬のワーリングステイツWarring States)がドイツのGIII、バーヴァリアンクラシックを制したニュースが入ってきた。
父はヴィクトワールピサ、母はチリエージェ、母父はサクラバクシンオー、半兄にハクサンムーンがいる。
2014年のセレクトセールにて、カタールのファハド殿下が4968万円で落札。その後ドイツに渡り、現地で走っている馬だ。

個人的に興味を惹かれたのはその血統構成だ。


ご覧の通り、父も母父も内国産馬だし、母系に至っては1952年生まれのミスブゼンを祖としている、純然たるジャパニーズだ。
表内には他にもモガミやマルゼンスキーといった、昭和の一時代を築き上げた名種牡馬の名前も織り交ぜられており、そういった血統構成の馬がドイツで結果を残した事に驚きを感じる。

近年の日本調教馬による海外遠征のパフォーマンスは海外の関係者にも認められているようで、セレクトセールのようなセリ市にもファハド殿下のような世界的なホースマンが介入するようになった。
今回のワーリングステイツもその一頭なのだが、このような欧州ではあまりにも未知数な血統構成の馬が、出世レースを勝ったこと、これには大きな意味があるように思える。

”欧州では未知数だからこそ、結果を出せばその需要は計り知れない”ということだ。

近年の欧州競馬は、クールモアの一強状態で、ガリレオとデインヒルの血が溢れかえっている。サンデーの血が溢れている日本と似たような状況に陥っており、血の行き止まりに差し掛かってきている。
必然的に、このような状況を打破する救世主が必要になってくるのだが、例えばドバウィなんかがいい例だろう。父系はミスタープロスペクター系、母父はミルリーフ系で、現在の欧州主要血統からは外れている。ゆえに、種付けの受け入れ先が広く、持ち主のゴドルフィンは欧州市場を巻き返す切り札を所持していると言っていいだろう。

一方で、日本で紡がれた血統もこの救世主になり得るポテンシャルは充分に持ち合わせていると思う。

サンデーサイレンス系の欧州馬はナタゴラやダビルシム、ビューティパーラーなどで既にGIを勝っている。また、日本から遠征したエイシンヒカリがイスパーン賞をぶっちぎったのも記憶に新しい。決して適正がないわけではないというのが証明されている。
その上で今回の結果だ。徐々にではあるが、欧州におけるサンデーサイレンス系の需要も高まってくるのではないだろうか。

また、生産牧場も中小牧場である白井牧場というのも興味深い。
海外でデビューする日本産馬といえば大体は社台系列の牧場出身なのだが、こういった中小牧場出身の馬でも海外重賞を勝ってしまうのだから、どの牧場にもチャンスはあるのではないかと思える。

ワーリングステイツの今後のローテは、英GIダービー直行か、独GIIウニオンレネンから独GI独ダービーとのこと。
いずれにせよ、欧州のクラシック戦線を盛り上げる一頭として期待できそうだ。

ここ十数年で競馬レベルが世界トップレベルになった日本競馬。
同時にメイド・イン・ジャパンのブランドが、世界の舞台で「当たり前」のように走っている時代は、そう遠くないように感じる。
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posted by がりお at 22:24| Comment(0) | 海外競馬 | 更新情報をチェックする

2016年07月10日

【重賞勝ち馬血統覗き見】七夕賞&プロキオンS

突然だけど、自分自身の血統研究をもっと突き詰めていきたいということで、”走る馬の血統”をより深く研究するために、できれば毎週、その週の重賞を勝った馬の血統を、主観100%で解説していきたいなと思いまして、【重賞勝ち馬血統覗き見】と銘打って今週からスタートさせました。たぶん飽きるし、同じようなブログ書いてる人もいるだろうけど、あくまでも”がりおの主観”になりますので、ちょっと違った見解が見れるかもしれません。
うだうだ前置き書いてても仕方ないので早速本題へ。

【七夕賞】
アルバートドック
父:ディープインパクト
母:*ゴールデンドックエー
母父:Unusual Heat

道中は中段やや前目につけたアルバートドックが4角楽な手応えで伸びてきて、ダコール他の後続を封じて勝利。半馬身差だったが、着差ほど危うさを感じなかった。
小倉大賞典に続く重賞2勝目で、ローカル重賞大将のような風格を醸し出してきた。

では血統解説
Albert_Doc.jpg

父ディープインパクとは言わずもがな。
母ゴールデンドックエーは米3歳GIラスヴァージネスSの勝ち馬で、全兄に米GIハリウッドターフC勝ち馬Unusual Suspectがいる血統。
母父Unusual Heatはヌレイエフ系マイナー種牡馬。
本馬の5代血統表内にはNorthern Dancerの5x4=9.38%のインブリードしかなく、近年の活躍馬と比べたらそこまで濃い血統ではない印象。個人的に注目する”Northern Dancer3本クロス”の例には該当していない。
母ゴールデンドックエー自身5代血統内はアウトクロス。本馬の2代母父にあたるCrested Waveも短距離寄りの馬で、中距離適正は父ディープが強く出たのか。母の血を参考にしてマイル路線も面白いだろうし、Nureyev肌にSSということでダート適正もあるのではないだろうか。
いずれにせよ、芝中距離”以外”でも見てみたい血統構成である。

【プロキオンS】
ノボバカラ
父:アドマイヤオーラ
母:ノボキッス
母父:フレンチデピュティ

NHKマイル勝ち馬クラリティスカイや目黒記念勝ち馬ムスカテールと、出走メンバーだけ聞けば何のレースやら分からないメンバー。道中2番手を進んだノボバカラが直線抜け出し、追いすがるニシケンモノノフやキングズガードの猛追を凌ぎ切った。半馬身差という勝利は七夕賞と一緒だけど、後続の足の良さはこちらの方が上で、ちょっとヒヤヒヤものだったか。

Nobo_Bakara.jpg


父アドマイヤオーラは07クラシックを盛り上げた。ブエナビスタの半兄にあたり血統背景も充分。
母ノボキッスは中央1勝。1000mの未勝利ダート戦勝ち以外は複勝圏内すらない平々凡々とした馬だった。
この馬から見る特筆事項はアグネスタキオンの後継種牡馬に見られがちなダート適正の高さ。
後継最有力と目されたディープスカイも、最初はコケまくってはいたが、近年になってダートの下級条件に活路を見出すようになってから、徐々に成績が安定してきているように思える。
本馬の父アドマイヤオーラも現役時代はバリバリの芝馬だったにも関わらず、種牡馬になってから本馬の他にレパードS勝ち馬クロスクリーガーを出すなど、どちらかというと良績がダートに寄っているような感がある。
アグネスタキオンの母父ロイヤルスキー~Raja Babaからダート適正、早熟化などをうまく引き継いだ例なのではないかといった説を見たことがあるが、その通りのように思える。
本馬は母父が*クロフネらを輩出したフレンチデピュティ、クロスクリーガーは血統内にRaja Babaのクロスがあるので、配合でその適正をより強めることで、このようなダートの猛者を出すことができるのだろう。
ちなみにインブリードはNorthern Dancerの5x5x5=9.38%。個人的に走る馬の特徴だと決めつけてる”Northern Dancer3本クロス”を持つ馬でもある。


いかがでしたか。まだまだ勉強不足の点も否めないけど、こういった記事を毎週書いて自分なりに考察を加えることによって、更なる血統知識が付くことを期待していきたいです。
ラベル:競馬 血統
posted by がりお at 22:02| Comment(0) | 血統 | 更新情報をチェックする
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